★発達のとらえ方と促し方★

1<発達のとらえ方>
発達の原理
@連続性:発達は連続的、漸進的な変化である。
A順序性:
発達には一定の順序がある。・這う→立つ→歩く  ・喃語→単語→語文
B個人差:
発達には個人差がある。
発達の成熟説から学習説へ
@成熟説:
発達にとって、自然に生じる心身の変化が重要である。この説では、成熟していないと、訓練や教育をしても効果がないとし、成熟を待ってから教育すべきであると主張する。
A学習説:
発達にとって、成熟よりも学習や経験が重要である。この説では、学習、訓練、環境刺激などによって発達が促されるとし、教育によって発達が促されると主張する。1歳前後までは成熟によるが、その後の複雑な運動技能の発達や大部分の精神発達は、学習や訓練の成果である

発達の領域
@身体・運動:
体格、全身運動、手の運動
A情意:情緒、欲求、興味、意欲
B認知:知覚、記憶、学習、思考、概念
C言語:理解、発語
D社会性:集団参加、対人関係、道徳性
E生活習慣:食事、排便、衣服の脱着、睡眠、清潔


2<発達水準の査定>
発達検査―主として、子供をよく知っている養育者などによって実施される

@ポーテージ・プログラム:運動/認知/言語/社会性/身辺自立
A遠城寺式発達検査:移動運動、手の運動/言語理解、発語/対人関係/基本的習慣
BKIDS発達スケール:運動、操作/理解、表出、概念/対子供、対成人/しつけ

発達指数(DQ)Developmentail Quotient)=(検査でわかる発達年齢/生活年齢)×100

知能検査―主として、検査に習熟している専門家によって実施される
@マッカーシー知能発達検査:知覚―遂行/言語/数量/記憶
AK式発達(知能)検査:姿勢・運動/認知・適応/言語・社会

知的指数(IQ)Intelligense Quotient)=(検査でわかる知能年齢/生活年齢)×100
(参考)療育手帳の判定基準(IQ)
B2 50〜70(軽度) A3 21〜35(重度)  A4 36〜50+身障手帳1,2,3級
B1 36〜50(中度) A1 20以下(最重度) A2 35以下+身障手帳1,2級


3<1歳6ヶ月児と3歳児健康診断>
昭和36年から、母子保健法第12条に基づいて、3歳児の身体発達と精神発達に関する健康審査が行われ、病気や障害の発見に貢献した。
昭和52年から、厚生省通達により1歳6ヶ月児検診が行われるようになり、病気の早期発見・早期治療だけでなく、障害の早期発見・早期療育の役割を果たしている。



1歳6ヶ月児健康診断の例(発達年齢が1歳から1歳半程度の項目)

@移動運動 200mくらい一人で歩ける。片手を持てば階段の昇降が出来る。三輪車などを押して歩ける。ボールをオーバーハンドで投げる。
A手の運動 積み木を2つ積み重ねる。ドアを1人で開閉出来る。自動販売機のボタンなどを押したがる。鉛筆でぐるぐる書きをする。
B言語理解 絵本で「ワンワンどれ?」などと尋ねると指を指す。「新聞持ってきて」などの簡単な指示に従う。目、鼻、口などの名前が2つ以上わかる。
C言語表出 名前を呼ばれると返事をする。動物を見て「ワンワン、ニャーニャー」などと言う。2語以上の語彙(パパ、ママなど)を使い分ける。
D概念 熱い―冷たいがわかる。恐いがわかる。
E子供関係 自分より小さい子供を見て近づいていく。親から少し離れて遊べる。友達に玩具を貸してあげる。友達と手をつなげる。
F大人関係 ほめると同じ事を繰り返す。親を見ながらいたずらをする。難しいことに出会うと助けを求める。簡単な手伝いが出来る。
G生活習慣 自分で口元を拭こうとする。手が汚れたら綺麗にして欲しがる。包み紙をむくようにせがむ。パンツをはかせる時両足を広げる。


3歳児健康診断の例(発達年齢が3歳から3歳半程度の項目)

@移動運動 ブランコに乗り立っている。でんぐり返りが出来る。片足で5秒くらい立っている。片足ケンケンが出来る。
A手の運動 真似て○が書ける。真似て十字が書けるハサミで紙を直線に切れる。ボタンをはめられる。
B言語理解 赤、青、黄、緑がすべてわかる。櫛、帽子、鏡、コップ、鉛筆の用途がわかる。「お腹が空いたらどうする?」という質問に正しく答えられる。
C言語表出 2語文の復唱が出来る。自分のことをボク、ワタシと言える。絵本を見ながらしゃべる。同年齢の子供と会話が出来る。
D概念 「高い・低い」「遠い・近い」「浅い・深い」「強い・弱い」がわかる。3までの数がわかる。(「いくつある?」「3つ頂戴」など)
E子供関係 ままごと遊びで役を演じる。テレビの主人公遊びをする。ブランコなどで順番を待つ事が出来る。
F大人関係 「こうしていい?」と許可を求める。自分が作った物を見せたがる。ほめるともっとほめられようとする。
G生活習慣 箸が使える。口をすすぐ事が出来る。夜のオムツがいらない。自分で靴を履く。自分でパジャマを着る。

4<発達の促し方>
一般的な心構え
@日常生活で、何が出来何が出来ないかを観察し、子供の発達を的確にとらえる。
A現在よりも、少しだけ高い水準の行動が出来るように働きかける。
B他児と比較するよりも、本児自身について、以前に出来なかった事が新たに出来るようになったというこらえかたをする。
C次のような子供の特徴に留意する。
 ・言葉だけの指示や複数の事柄の指示は理解しにくい。
 ・1度に複数の事柄を覚える事が苦手である。
 ・1度出来ても、次に出来ない事が多い。
 ・ある場所や課題で出来た事が、別の場所や課題では出来にくい。
 ・繰り返し繰り返し教えないと、身につきにくい。

全身運動自身のもとは全身運動
@歩かせたり、走らせたりするなど、全身を動かす機会を多くする。
A発達検査の項目にある運動を、親が手本を示してから、子供に教える。
B複雑な運動は、単純な動きから順に教える。
C恐がる場合は、身体を支えるなどして、少しずつ慣れさせる。

手の運動親の手本が上達をまねく
@身の回りの事や遊びなどで、指先を使う機会を多くする。
A発達検査の項目にある運動を、親が手本を示してから、子供に教える。
B積み木、鉛筆、クレヨン、ハサミ、折り紙、塗り絵などにふれる機会を多くする。

言語理解まず理解、話しかけを大切に
@日常生活(食事、排便、衣服、睡眠、清潔)を通して話しかける。
Aちょっとした手伝いや片付けなどをさせる。
B子供の動作や気持ちを表す言葉を話しかける。
C身近な物の名前や身体部分の名前を話しかける。
D主な色名(赤、青、黄、白、黒など)を話しかける。
E物の用途や身体部分の機能を表す言葉を話しかける。

言語表出「これなーに?」、発語意欲をなくすもと
@動作や発声による要求には、親が物の名前や言葉を添えてから応じてやる。
A子供が発声した声や単語を真似して、子供に言い返してやる。
B返事を教えるには、母(父)親が名前を呼び、父(母)親が子供の後ろで「はーい」と言いながら、子供の手をあげてやる。
C「●●はどれ?」(理解)が出来たら、「これなに?」(発語)と尋ねる。
D動作や発声による要求には、欲しいを子供に言わせてから応じてやる。
E子供が発した単語の前か後ろに、動詞か形容詞か名詞を付け加えて言ってやる。
 (子)「ワンワン」→(親)「ワンワン来た」または「白いワンワンだね」
 (子)「パパ」→(親)「パパ、仕事」「パパ、やさしい」 (二語分の形成)

概念
数は5(3)まで、ただ唱えるのは意味がない
@次のような言葉で話しかける。
 日常行動で「良い→悪い」、お菓子で「多い→少ない」、動物で「大きい→小さい」「強い→弱い」、鉛筆で「長い→短い」、大人と子供で「高い→低い」、箸や鉛筆を持つ手で「右→左」
Aおはじきや積み木で、次のような質問をする。
 5個並べて「いくつある?」「1つ頂戴」「もう1つ頂戴」「3つ頂戴」
 5個を2と3、1と4に分けて置き「どっちが多い?」「どっちが少ない?」
 4個並べて「半分頂戴」

子供関係子供同士、遊びに勝るものはない
@「●●ちゃん、何しているかな?」と言って、他児の遊びを観察させる。
A他児の遊びを摸倣させたり、追っかけっこをさせる。
B玩具の電話で「●●ちゃん、モシモシ」と、他児と交互に言わせる。
C他児と交互に、輪投げやビー玉転がしなどをさせる。
D他児とサーキットを順番に回らせ、電車ごっこをさせる。

大人関係親子の交わり大切に
@叱る事を少なくして、ほめる機会を多くする。
A親がしている簡単な体操や動作を摸倣させる。
B動作を伴う指示から、言葉による指示に従えるようにする。
C転がるボールのやりとりから、投げたボールのやりとりが出来るようにする。
D欲しい物があっても、言い聞かせれば我慢出来るようにする。

生活習慣身辺自立は心の自立
@出来るだけ自分でやらせる。最初は全面的に援助し、徐々に援助を減らす。
A配膳などの手伝いをさせる。失敗しても叱らず、不完全でもほめてやる。
Bご飯や食べ物をこぼした時は、自分で拾わせる。
C手が汚れた時は自分で洗わせる。
D靴、パンツ、ズボンなどは自分で脱着させる。
E出来るだけ少ない玩具で遊ばせ、自分で片付けさせる。

望ましい叱り方
@「だめ!」「やめなさい」と言いながら、身体を押さえたり、手を持ったりする。
A「こっちへ来なさい」と言って、その場から引き離したり、「これをしようね」と言って、別の事に気持ちを向けるようにする。
B禁止されたり叱られたりして、泣いたり、駄々をこねたり、癇癪を起こしたりした時は、可能な限り相手にしない。親が機嫌を取ったり、謝ったりしない。
C物を投げたりした時は、「拾いなさい」と言って投げた物を拾わせ、片付けさせる。片付けが出来たらほめてやる。
D親に甘えたいから叱られるような行動をする事がある。その場合は、時には甘やかし、時には無視する。


※以上…このプリントは京都の療育教室で顧問をやっていたN大学の教授のやつなんだけど、この人は児童心理学の専門で、障害児教育に関しては知識がなかったようである(笑)それを親の会で糾弾すると慌ててこんなどこからか仕入れたような情報をプリントしてみんなに配ったわけです。まぁ、間違った事は書いてないけどね。これをやったら親がしんどいやんか。(怠け者母談)私だけですか?そんな事思うのは^_^; 興味があったらやってみて下さいね。障害があるないに関わらず書いてある事はやって損はない(はず)です。次回はこの教授に反抗してその時の役員さんがプリントしてくれた「コロロ」というものを紹介します。

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